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ID番号 05509
事件名 障害補償給付処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 飯田橋労基署長事件
争点
事案概要  建設作業員が作業中に事故に遇い、その後に発現した四肢脱力障害が事故と因果関係があるとして、労基署長のなした障害等級の認定を争つた事例。
参照法条 労働者災害補償保険法15条
労働者災害補償保険法施行規則別表
労働基準法77条
体系項目 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 障害補償(給付)
裁判年月日 1991年1月30日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和62年 (行コ) 69 
裁判結果 認容(確定)
出典 タイムズ754号163頁/労働判例580号10頁
審級関係 一審/東京地/昭62. 6.25/昭和55年(行ウ)2号
評釈論文 望月浩一郎・労働法律旬報1260号21~26頁1991年3月25日
判決理由 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-障害補償(給付)〕
 〔中略〕
 控訴人の治癒後の労働能力は、単に高所作業や自動車運転などができないために就労可能な職種が制限されるに止まらず、独力では一般労務を持続的に遂行すること(作業への往復を含む。)ができず、そのため一般平均人の二分の一程度に労働能力が低下しているものと認められる。そうすると、控訴人の後遺障害は、「一般的労働能力は残存しているが、神経系統の機能の障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」(第九級の七の二)ではなく、「中等度の神経系統の機能の障害のために、精神身体的な労働能力が一般平均人以下に明らかに低下しているもの」(第七級の三)に該当すると認められる
 〔中略〕
 控訴人の聴力障害が障害等級第一一級の三の三に相当することについては当事者間に争いがないから、労働基準法施行規則四〇条三項の規定する併合繰り上げにより、第六級と認定すべきこととなる。
 そうすると、本件事故により控訴人に残存した後遺障害は障害等級第七級の三に該当するとし、併合繰り上げにより第八級と認定した原決定は相当でなく、取消しを免れない。