全 情 報

ID番号 05510
事件名 懲戒処分無効確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 東京市外電話局ほか事件
争点
事案概要  電話局に勤務する職員が、年休の時季指定をしたのに対して、当局が、その指定にかかる日について地下ケーブルの冠水事故に伴う絶縁試験が予定されており、応援も含めてそのための人員配置が決まっているため欠務により「事業の正常な運営が阻害される」として時季変更権を行使したにもかかわらず、当日欠勤したため無断欠勤として戒告処分を受けたのに対して、その無効確認を求めた事例。
参照法条 日本電信電話公社法33条
労働基準法39条4項
体系項目 年休(民事) / 時季変更権
懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反
裁判年月日 1991年1月30日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 平成1年 (ネ) 814 
裁判結果 棄却
出典 労働判例580号6頁
審級関係 上告審/05833/最高二小/平 3.12.13/平成3年(オ)749号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕
 当裁判所も、原審と同じく、控訴人に対する本件懲戒処分は有効であり、控訴人の本訴請求は失当として棄却すべきであると判断するものであるが、その理由は、次のとおり訂正、付加するほか、原判決の理由説示のとおりである。
〔年休-時季変更権〕
 〔中略〕
 五機工課は、要員を必要とする作業が生じた場合の稼働応援をその担当職務の一つとするものであるが、控訴人が年休を取得したためにA課長が第二保全課に派遣されたのは、緊急の応援の要請に応えるべくなされた計画外の異例の措置であって、五機工課の業務にも支障を生じさせるものであり、これを事前に定められた計画に従って稼働応援がなされた場合と同じように扱うことはできないと考えられる。
 したがって、五月一九日における控訴人の欠勤は、第二保全課のみならず五機工課の業務にも支障を生じさせたものであり、事業の正常な運営を妨げる場合に当たるというべきである。