ID番号 | : | 05550 |
事件名 | : | 損害賠償請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | エッソ石油事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合の一部の組合員が、使用者に対してチェックオフによる組合費の引去を停止してもらいたいとの「組合費引去停止書」提出後もチェックオフがなされたのは違法であるとして、使用者に右引去額の支払いを求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条1項 労働組合法16条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金の支払い原則 / チェックオフ |
裁判年月日 | : | 1991年2月26日 |
裁判所名 | : | 大阪高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成1年 (ネ) 2125 |
裁判結果 | : | 一部認容,一部棄却(上告) |
出典 | : | 労働民例集42巻2号109頁 |
審級関係 | : | 一審/04931/大阪地/平 1.10.19/昭和60年(ワ)10071号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金の支払い原則-チェックオフ〕 チェック・オフ協定(労働協約)が、右協約締結当事者である労働組合から使用者に対する組合費の取立委任の効力を持つことは当然であるが、チェック・オフは具体的に発生した労働者の賃金請求権の一部についての処分に当たるものであるから、これが労働組合員である労働者に対する関係で許されるためには、それが右労働者の意思に基づくことが必要であり、したがって、労働者がチェック・オフを拒否している場合、又はその承諾が撤回された場合など労働者がチェック・オフを拒否し、これを承諾していないときは、たとえ労働組合との間でチェック・オフ協定が成立していても、チェック・オフを拒否する右労働者に対するチェック・オフは許されないというほかはない(チェック・オフ協定が結ばれている労働組合に所属している組合員は、通常これを承諾し、また少なくとも黙示的には承諾をしているというべきであろう。ちなみに、前掲各証拠によれば、控訴人とA労働組合の場合には、A労働組合所属の組合員は同組合に加入する際、同組合への加入届と同時に、使用者である控訴人に対しても、A労働組合の組合費相当額を給料(賞与等一時金を含む)から引去り、これをA労働組合に交付すること、すなわちチェック・オフを依頼する旨の「組合費引去依頼書」を提出しており、しかも右書面には、チェック・オフ依頼を撤回するときには、その支払を停止しようとする月の一五日までに控訴人に対しその旨の書面を提出しなければならない旨の記載もなされていることが認められる)。 |