ID番号 | : | 05653 |
事件名 | : | 災害補償金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 田中精麦事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働基準監督官の臨検を見張る業務に従事していた従業員の過失による死亡につき、業務上にあたるとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法79条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 業務遂行性 |
裁判年月日 | : | 1963年9月17日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和36年 (ワ) 5068 |
裁判結果 | : | 一部認容,一部棄却 |
出典 | : | 労働民例集14巻5号1172頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 保原喜志夫・ジュリスト324号104頁 |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-業務遂行性〕 訴外Aの死亡の原因となつた事故の発生した時、右訴外人の従事していた業務が前記のとおり労働基準監督官の臨検に対する見張りであり、被告の労働基準法第六二条違反を助長するもので違法の業務であるということができる。一般に自ら不法行為をした者は法の保護を受けることができないのは当然であつて、不法行為を内容とする業務に従事中死亡しても、その遺族は補償を請求できないものといわなければならない。然し右不法とは公序良俗に反する場合または社会の倫理観念によつて非難される強行法規違反の場合に限り、強行法規に反する総ての場合を含むものではないと解すべきである。そうすると、前記認定の如き事情の下において訴外Aが従事した労働基準監督官の臨検に対する見張りの業務は、尚労働基準法第七九条にいわゆる業務に該当するものと解するのが相当である。 |