ID番号 | : | 05698 |
事件名 | : | 障害補償給付処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 大阪西労働基準監督署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | タクシー運転業務に従事中に発生した追突事故による負傷の後遺障害につき、労働基準監督署長の行なつた障害等級認定処分の当否が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法施行規則14条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 障害補償(給付) |
裁判年月日 | : | 1989年7月3日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和63年 (行ウ) 11 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例544号40頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-障害補償(給付)〕 頚部運動機能障害について検討するに、前記認定事実とりわけ頚部レントゲン所見によると、原告の疼痛による頚部運動制限は頚部・頚椎及び神経根の変性変化に起因するものと認めるに足りず、障害等級認定基準を総合考慮すると、原告の頚部運動制限は障害等級一二級の一二に該当すると認めるのが相当である。〔中略〕 原告の右症状は外傷性頚椎症候群による諸症状に心因的要素が加わった神経症状であり、障害等級表一二級の一二に該当するものと認めるのが相当であり、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。 そうすると、本件処分が原告の頚椎及び右上肢の筋力低下による運動機能障害認定していないこと、並びに施行規則が障害等級認定にあたって関節運動可動域の運動制限のみを考慮し、筋力低下に基づく機能障害を斟酌していないことにより、本件処分は違法であるとする原告の主張は理由がない。 原告が身体障害者福祉法に基づく障害等級三級に認定されていることは当事者間に争いがないが、同法と労働者災害補償保険法は趣旨・目的を異にしているから、右事実は前説示を左右するに足りない。 以上のとおり、本件障害を障害等級一二級の一二と認定した本件処分には違法の点はない。 |