ID番号 | : | 05709 |
事件名 | : | 地位確認等請求控訴事件/同附帯控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | ナトコペイント(本訴)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合役員・組合の中心的活動家に対する配転およびそれを拒否したことを理由とする諭旨解雇(予備的に通常解雇)につき、それらの者が不当労働行為であるとして争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働組合法7条1号 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1990年5月31日 |
裁判所名 | : | 名古屋高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和63年 (ネ) 398 平成1年 (ネ) 175 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例580号53頁 |
審級関係 | : | 一審/03986/名古屋地/昭63. 7.15/昭和59年(ワ)3188号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の濫用〕 「控訴人は、本件配転が不当労働行為に当たらない理由の一つとして、本件配転がA労組の公然化前にほぼ固まっていた昭和五六年春季配転計画の延長にあるものであり、右昭和五六年春季配転の対象者には、被控訴人Y1、同Y2、同Y3、同Y4が含まれていたなどと主張する。しかしながら、仮に控訴人主張のごとく、組合公然化前に一定の配転計画が存したとしても、組合公然化に伴い、控訴人がA労組の活動状況を認識した後は、控訴人において同様の配転計画を実施するに際しても、組合に対する影響等に新たな配慮を加えるべきであったことはいうまでもない。また、右主張が一応正当といい得るためには、本件配転と右昭和五六年春季の配転計画の内容が個々的にもほぼ等しいものであり、かつ、それ自体に業務上の必要性が十分肯定されることがその前提要件になるというべきであるが、前者の点については、わずかに、被控訴人Y4について昭和五六年春季配転の際にも、同様の配転の意向打診がされたと認められる(被控訴人Y4の供述)にとどまり、その他の被控訴人らについては、本件前証拠によるも、昭和五六年春季において本件配転と同様の配転計画があったものとは認めることができない。かえって、被控訴人Y1に関しては、いずれも配転計画の対象に加えられたとはいえ、昭和五六年春季配転の際には、名古屋営業所所長への配転の内示ないし意向打診があったのに、本件配転では、前示のとおり名古屋営業所とは質的に異なる広島営業所所長への配転が命じられた〈証拠略〉ことからして、不当な方向に配転の内容が変更されたものといわざるを得ない。また、後者の点については、本件配転がいずれも、その程度の差こそあれ、業務上の必要性を積極的に認め難いものであることは既に個々的に検討したとおりである。したがって、いずれの観点からしても、控訴人の主張は、到底前記結論を覆すには足りないものというべきである。」 |