ID番号 | : | 05744 |
事件名 | : | 懲戒処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 北海道教育委員会(四三年一斉休暇闘争)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 一斉休暇闘争への参加、宿日直拒否、教研集会への強行参加による職場放棄等を理由とする道立高校の教諭に対する懲戒処分(減給、戒告)の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法39条4項 労働基準法41条3号 地方公務員法37条1項 労働基準法施行規則23条 |
体系項目 | : | 年休(民事) / 年休の自由利用(利用目的) / 一斉休暇闘争・スト参加 労働時間(民事) / 労働時間・休憩・休日の適用除外 / 監視・断続労働 |
裁判年月日 | : | 1990年12月26日 |
裁判所名 | : | 札幌地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (行ウ) 6 昭和55年 (行ウ) 7 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例578号40頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働時間-労働時間・休憩・休日の適用除外-監視・断続労働〕 労働基準法四一条三号の規定は、その規制対象を必ずしも断続的労働を本来の業務とするものに限定するものと解すべきではなく、ある業務に従事する者がその本来の業務以外にこれに付随して断続的労働である宿日直勤務に従事する場合においても、この両種の業務を併せ一体として考察し、労働密度の点から過度の労働に至らず、労働時間、休憩及び休日に関する法的規制を宿日直勤務に関する限り除外しても労働者の保護に欠けるところがないと認められる場合をも包摂する趣旨の規定と解するのが相当である。そして、労働基準法施行規則二三条は、労働基準法四一条三号に該当する特殊な場合の解釈規定と解すべきである。 〔年休-年休の自由利用(利用目的)-一斉休暇闘争・スト参加〕 北教組は、日教組に加盟しており、昭和三五年の公務員共闘の結成に際してこれに参加し、同年を第一次とし、以後毎年、公務員共闘として賃金闘争を行ってきたこと、日教組は、昭和四三年第九次賃金闘争において、人事院勧告の完全実施等の要求を実現するため、公務員共闘の統一闘争として、全組合員が一〇月八日に早朝一時間の休暇をとり、原則として市町村単位の要求貫徹集会を開催することを決定したこと、北教組は、この決定に基づき、各組合員の批准投票を行い、約六〇パーセントの賛成を得たうえ、一〇・八闘争行ったこと、一〇月八日当日には、道内公立学校全教職員四万九三〇九人のうち、一万五八六九人が一〇・八闘争に参加したことが認められる。 以上の事実によれば、一〇・八闘争は、原告らを含む多数の公立学校教職員が北教組の統制のもとに、一斉に年次有給休暇届を行い、集団的に職務を放棄したものであるから、いわゆる一斉休暇闘争に該当すると認められる。したがって、原告らの右年次有給休暇の申請は、適法な年次有給休暇申請権の行使とは認められない。 |