ID番号 | : | 05772 |
事件名 | : | 雇用関係存在確認等請求事件/損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | ジャーディン・マセソン事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | ダイレクトマーケッテング事業本部副部長兼営業部長が、自己の権限を利用してその親族に利益を与えたとして懲戒解雇され、その効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 |
裁判年月日 | : | 1991年7月12日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和63年 (ワ) 15066 平成1年 (ワ) 9278 |
裁判結果 | : | 本訴棄却,反訴棄却 |
出典 | : | 労働判例594号68頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 原告は、その権限を利用して、本来被告の直轄エージェントになるべき者を自己の親族のスポンサーラインに置き、また、自己の親族をその推薦者としたのであるが、これによって、原告の親族は、エージェント資格挑戦中は必要な売上に被推薦者の売上を加算することができ、認定後は、推薦者となったエージェントの売上額を加えてボーナス等を受けることができることになる。 そして、原告は、その立場、権限等から右行為が右のような意味を有することを十分知っていたものと推認されるから、自己の親族に右のような利益を上げさせる意味もあって、被告の直轄エージェントになるべき者を自己の親族のスポンサーラインにおくという不正な行為を行ったと認めるのが相当である。〔中略〕 原告の右行為は、被告の就業規則一五条八号の「業務に関し、不当に金品その他の利益を受け取ったり与えない事」に違反し、右行為の内容のほかに、スポンサーラインがシステム販売事業を行う上で重要な要素となり、そのためスポンサーラインの設定が公正に行われなければならないこと、原告が被告のシステム販売事業の責任者的立場にあり、エージェントの認定権限を有していたことなどを考えると、原告の右行為はその情が重いと認められ、懲戒解雇事由を定める被告の就業規則三七条八号(就業規則一〇条、一五条五号ないし八号に違反し、その情が重いとき)に該当すると認めるのが相当である(右就業規則の内容は、〈証拠略〉により認められる。) |