全 情 報

ID番号 05798
事件名 労災補償費不支給処分取消請求事件
いわゆる事件名 横須賀労働基準監督署長(日産自動車中央研究所)事件
争点
事案概要  新入社員の合宿訓練中に発症した「神経症」につき、業務災害でないとした労働基準監督署長の処分が争われた事例。
参照法条 労働基準法施行規則35条
労働基準法施行規則別表1の2
体系項目 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 職業性の疾病
裁判年月日 1991年9月19日
裁判所名 横浜地
裁判形式 判決
事件番号 平成2年 (行ウ) 2 
裁判結果 棄却
出典 タイムズ787号207頁/労働判例598号92頁/労経速報1454号3頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-職業性の疾病〕
 本件合宿訓練は、職場で集団生活をするうえで通常受けるであろう精神的な負担以上に特に過大な精神的苦痛を生じさせるものではなかったから、原告が本件合宿訓練中の出来事を誘因として本件疾病になったとしても、その発症の原因の大部分は、本件合宿訓練とは別の出来事(前記のとおり、原告自身、入社以降の環境の変化のために本件合宿訓練前から既に軽い鬱状態になっていた旨を述べている。)か、原告の性格特性(敏感で繊細、対人関係で傷つきやすい、他人の思惑を気にする、冗談でも真に受ける、自己不全感(ママ)が強い、真面目で道徳感が強い(〈証拠略〉))によるものとみるべきであり、本件合宿訓練との間には相当因果関係はないというべきである。
 よって、被告が、原告の本件疾病と本件合宿訓練との間に相当因果関係があるとは認められないとして、本件疾病による療養補償給付と障害補償給付の各請求につき本件不支給決定をしたのは正当であって、その取消しを求める本訴請求は理由がない。