ID番号 | : | 05850 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 豊南学園事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 契約期間を一年と定めて採用された私立高校の専任講師が、三回更新の後に期間満了を理由として雇止めされ、その効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め) |
裁判年月日 | : | 1992年3月31日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ワ) 4842 |
裁判結果 | : | 一部認容,一部棄却(控訴) |
出典 | : | 時報1420号131頁/労経速報1460号13頁/労働判例605号27頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 遠山廣直・平成4年度主要民事判例解説〔判例タイムズ821〕312~313頁1993年9月 |
判決理由 | : | 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕 前記一3及び4に認定のとおり専任講師の職務内容及び労働条件は同一であること、前記一5に認定のとおり専任講師制度の主たる目的は被告の教員の資質向上にあったこと、前記一5の認定のとおり被告の事務長が専任講師について一年間の期間満了ということだけで雇止めを行うことはせず、雇止めを行うのは教師として重大な欠陥があるか身体の状況からみて勤務ができない場合のみであるという趣旨の継続雇用を期待させるような説明があったこと、前記一7に認定のとおり本件雇止め以前に雇止めをされた専任講師は存在しないこと等を総合して考慮すると、専任講師契約はある程度の継続が期待されていたものであり、原告との間においても前記一1に認定のとおり三回にわたり専任講師契約が更新されているのであるから、このような労働者を契約期間の満了によって雇止めにするに当たっては、解雇に関する法理が類推され、雇止めが社会通念上妥当なものとして是認することができないときには、その雇止めは信義則上許されないものといわなければならず、その場合には期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新されたと同様の法律関係となるものと解するべきである。 |