ID番号 | : | 05870 |
事件名 | : | 賃金等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 岡山電気軌道事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 従業員休憩室への盗聴器設置を解明するため、夜間、主任宅を訪門したことに対する始末書提出命令を拒否したことを理由とする減給処分が無効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反 |
裁判年月日 | : | 1991年12月17日 |
裁判所名 | : | 岡山地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成1年 (ワ) 752 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例606号50頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕 原告らが本件従業員控室に盗聴器が設置されたとの疑念を抱くについては相当な理由があり、しかも、被告が右の疑念を解明するために何らの措置も取ろうとしなかったことからすれば、原告らがこれに何らかの関わりがあると疑われた両名の自宅を訪れ釈明を求めようとしたことも十分に理解できるところである。なるほど、原告らが午後九時も過ぎた時間に突然に自宅を訪問したことは、必ずしも穏当な行動であるとはいえないが、原告らがこのような行動に至った経過及びその場での原告らの態度が必ずしも威圧的なものとはいえなかったことに鑑みれば、原告らの右行動は社会的に相当な範囲内の行為であるというべきであり、懲戒処分の事由にはあたらないものというべきである。 他方、被告は、自ら盗聴器をめぐる疑惑を明らかにすることなく、一方的に原告らの右行為をとらえて懲戒処分をしたことを考えると、本件減給処分は違法で無効なものと認めるのが相当である。 |