ID番号 | : | 05958 |
事件名 | : | 公務災害認定に関する処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 地公災基金東京都支部長(江戸川保健所)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 公務災害と認定された交通事故により骨折等をした者に発症した「網脈絡膜萎縮」と、右交通事故との間には相当因果関係は認められないとされた事例。 |
参照法条 | : | 地方公務員災害補償法26条 労働者災害補償保険法7条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 業務起因性 |
裁判年月日 | : | 1991年9月24日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成1年 (行ウ) 41 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 時報1405号116頁/労働判例598号75頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-業務起因性〕 原告は、本件事故から二か月ほどしてから、徐々に視力が低下したと供述し、また、約二年後の再入院時に視力の異常を覚えた旨主張して、プルチェル網膜症の発症が本件事故から四年以上経過した後のことではないと主張したいようであるが、仮にそのような前提をとるとすると、A医師は、発症後四年以上あるいは六年以上経ってからの原告の眼底の状態を見たことになるし、また、仮にB眼科医院受診時ころに発症していたと仮定してみても、発症後二年半以上経ってからの原告の眼底の状態を見たことになるのである。しかし、それほど長期間を経てもプルチェル網膜症の眼底所見に特異なものが残っていることを認めるに足りる証拠はなく、むしろ、プルチェル網膜症の発症機序、症状経過等に関する医学文献の記載からみて、プルチェル網膜症に特有な眼底所見は発症当時に見られるもので、これほど長期間経過した後に、なお、プルチェル網膜症特有の眼底所見が残っているとは考えられないから、視力低下の経過に関する右のような原告の主張は、それ自体として既に、本件疾病がプルチェル網膜症によるものであることを積極的に根拠づけ得るものとはいえない。 |