ID番号 | : | 05961 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | サイゴンマリタイム事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 経営不振を理由とする解雇につき、定年年齢に達していた一名を除き、解雇が無効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇の必要性 |
裁判年月日 | : | 1991年11月22日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成3年 (ヨ) 2223 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労経速報1450号19頁/労働判例599号46頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-整理解雇-整理解雇の必要性〕 債務者の事業が全体として全面的廃止の事態に永続的に立ち至ったものと断ずるには疑問があり、本件解雇が債務者の事業全体の永続的休廃止に伴うものにすぎないとみることはできず、前示のような債務者の整理方針をまったく転換して全員解雇という選択に至ったことは、企業経営者としての合理的な経営判断の裁量の域を超えた解雇権の濫用であると解さざるを得ない。 なお、債務者は、債務者会社には就業規則が存在しないと主張するが、前記認定のとおり、債務者代表者は、本件解雇に先立ち債権者Aの定年による退職を通知しており、それは就業規則に基づくものと一応認められるから、この事実に本件疎明資料(〈証拠略〉)を総合すると、(証拠略)(なお、〈証拠略〉)はこれに基づく従業員旅費規定)は債務者会社の就業規則であると一応認めるのが相当である。しかして、同規則には普通解雇に関する三九条の規定があり、本件で問題となり得るのは、その4項の「その他、会社の業務都合上やむを得ない場合」という規定と解されるが、以上の判断によれば、本件解雇がこれに該当すると解することもできない。 したがって、本件解雇は無効であるというべきである。 |