ID番号 | : | 06005 |
事件名 | : | 障害補償給付処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 下松労基署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 護岸作業中の事故による骨折の後遺障害(一二級の一二)の認定につき、労働者が右障害等級の認定が不当であるとして争つた事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法施行規則別表1の12 労働者災害補償保険法施行規則14条2項 労働基準法77条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 障害補償(給付) |
裁判年月日 | : | 1992年4月24日 |
裁判所名 | : | 広島高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成3年 (行コ) 2 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例629号137頁 |
審級関係 | : | 一審/山口地/平 3. 1.31/昭和62年(行ウ)5号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-障害補償(給付)〕 原告の右骨、右肘の疼痛はカウザルギー症状ではなく、右肘頭骨折による肩関節周囲炎及び右変形性肘関節症等に基づく疼痛であって、その程度は、労働には差し支えないが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すものであるから、施行規則別表第一の一四級の九(局部に神経症状を残すもの)に該当し(背部痛についても同様に一四級の九に該当すると解される。)、右症状は右変形性関節症に通常派生する関係にあると解されるから、後記右肘関節の運動制限による障害といずれか上位の等級をもって後遺障害の等級とすべきである。〔中略〕 前記一の認定事実と証拠(〈証拠略〉)によると、右肘関節の運動については、正常可動範囲が屈曲一四五度、伸展がマイナス〇ないし五度であるところ、原告の右運動範囲は、屈曲が一一〇ないし一二五度、伸展がマイナス三〇ないし三五度であって、その運動可能領域は正常可動範囲の二分の一以上四分の三以下であるから、施行規則別表第一の一二級の六(一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの)に該当すると解するのが相当である。したがって、右二の右肩、右上肢の疼痛は右肘関節の運動障害の等級をもって評価されることになる。 |