全 情 報

ID番号 06007
事件名 未払賃金請求事件
いわゆる事件名 商大八戸ノ里ドライビングスクール事件
争点
事案概要  自動車教習所の指導員が隔週の月曜日の休日(時短休日)が国民の祝日と重なった場合には、右休日を翌日に振り替え、右の日の出勤は休日出勤として時間外労働手当を支給する等の取扱いが定着していたとして右取扱いにかかわる賃金の支払等を求めて争った事例。
参照法条 労働基準法92条
労働基準法89条1項
体系項目 就業規則(民事) / 就業規則と労働契約
就業規則(民事) / 就業規則の適用対象者
裁判年月日 1992年6月29日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 平成1年 (ワ) 4488 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例619号74頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔就業規則-就業規則と労働契約〕
 1 (証拠略)(就業規則、賃金規則)によると、年末年始休暇は一二月二九日から一月四日までであり(就業規則一四条)、夏期特別休暇の定めはなく、能率手当は所定内実稼働時間に対し支払うこととされている(賃金規則一八条)。
 2(一) 被告は、昭和五五年頃から同六三年頃まで、第三類型の取扱をしていたことを自認している。右事実、(証拠・人証略)によると、右取扱は同四六年頃から始まったと認められる。
 (二) 被告が第三類型の取扱を実施してきた理由は詳らかではないが、職組及び組合との合意に基づくものと推認される。
 3 そうすると、第三類型の取扱は、職組及び組合との合意に基づき、長年月に亘り、教習指導員に対しあまねく適用されてきたことにより、労働契約上の労働条件を組成してきたものと言わねばならず、被告において、右取扱が就業規則、賃金規則に違反するとして、原告らの同意なく一方的に不利に変更することは信義に反し許されないと解される。
〔就業規則-就業規則の適用対象者〕
 出向社員に適用される就業規則は、出向元会社、出向先会社及び出向社員三者間の約定によって決まるが、原則として、出向先会社の就業規則が適用される。四〇協定書はA学園と組合間の協定であり、右約定に当たらない。したがって、原告Xには被告の就業規則が適用されると解される。