全 情 報

ID番号 06010
事件名 解雇取消等請求事件
いわゆる事件名 共生産業事件
争点
事案概要  試用期間中の塾の講師が無断欠勤を理由として教員としての適格性が欠けるとして解雇され、右解雇を不当として解雇の取り消し、損害賠償の支払等を求めた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法20条1項
体系項目 労働契約(民事) / 試用期間 / 本採用拒否・解雇
裁判年月日 1992年7月27日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成3年 (ワ) 10452 
裁判結果 棄却、却下
出典 労働判例614号53頁/労経速報1477号33頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労働契約-試用期間-本採用拒否・解雇〕
 1 被告は、平成二年九月二〇日、マニラに開設予定の日本語学校の日本語講師とする計画のもとに、当面進学塾で稼働させる約定で原告を雇用し、原告に教師としての経験がないことを勘案し、進学塾A教室での研修を命じ、原告は、当初、千葉県市川市にある同教室で研修を兼ねて授業を担当するなどし、同年一二月一二日千葉本部に異動となった。
 2 この間、原告の勤務状況に関しては、授業内容がよく分からないなどとの生徒からの不満や生徒が騒いでいるなどの父兄からの苦情が出たり、上司、同僚とのコミュニケーションが計れないなどの他の職員からの不満が出たりした。また、原告は、印刷作業を命ぜられて行った際、紙を折ったりホチキスでとめたりする作業が十分にできなかった。こうした事態について原告は、本来海外における日本語学校の日本語教師になる予定で雇用されたものであるとして、上司、同僚からの各種指示やアドバイスに対して、「何度も言われなくったって分かりますよ。」などと言って反発した。〔中略〕
 右の事実によれば、試用期間中の原告を、教師としての適性を欠くものとして解雇したことが不法行為であるとすることはできず、他にも、原告に対する被告の不法行為に当たる事実を認めるに足りる証拠がない。