ID番号 | : | 06018 |
事件名 | : | 懲戒免職処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 吹田市教委(東山田小学校)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 同僚の女子職員に対する暴力行為を理由として懲戒免職とされた学校給食調理員が右免職処分の効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 地方公務員法29条1項3号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 暴力・暴行・暴言 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の限界 |
裁判年月日 | : | 1992年8月31日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成1年 (行ウ) 9 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例618号24頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-暴力・暴行・暴言〕 原告は本件行為につき、カッとなって匕首を手に持ったまま無意識にAに歩み寄ったにすぎず威嚇するつもりはなかった、匕首に鞘はついていたが自然に落ちていた、匕首をAに突きつけたあと自分から他の調理員に匕首を渡したと供述するが、その内容自体あいまい、不自然であり、右証拠に照らして措信できない。 2 右事実によれば、本件行為はAが原告の出勤簿の押印欄に勝手に「無断欠勤」と記入したことが原因になっているものの、勤務場所において同僚の首の辺りに、刃引きの点はともかく、匕首を突きつけて威嚇するという行為態様の悪質性に照らすと、本件行為は、地公法二九条一項三号の定める「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」に該当すると認めることができ、原告に対する懲戒事由になるというべきである。〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の限界〕 地方公務員に法定の懲戒事由がある場合に、懲戒処分を行うかどうか、懲戒処分を行うときにいかなる処分を選ぶかは、懲戒権者の裁量に任されている。右の裁量は恣意にわたることができないことは当然であるが、懲戒権者が右の裁量権の行使としてした懲戒処分は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、これを濫用したと認められる場合でない限り、その裁量の範囲内にあるものとして、違法とならないものというべきである(最高裁判所昭和五二年一二月二〇日第三小法廷判決・民集三一巻七号一一〇一頁参照)。 |