ID番号 | : | 06027 |
事件名 | : | 労働災害障害補償給付支給の処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 横浜南労基署長(相模船舶作業)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 荷役作業中にこうむった労災の後遺障害につきなされた障害等級の認定(一二級の一二)が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法77条 労働者災害補償保険法15条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 障害補償(給付) |
裁判年月日 | : | 1992年9月24日 |
裁判所名 | : | 横浜地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成1年 (行ウ) 18 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例621号51頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-障害補償(給付)〕 後遺障害等級表は、後遺障害の部位程度に応じて、一四段階、一四〇種に分類して規定しているが、関節の機能障害とか、疼痛といった評価判断を含むものについては、事柄の性質上、一義的に当てはめることができるように定めるのは困難であるし、また、一四〇種程度の分類をもってあらゆる身体障害を漏れなく定めることも不可能である。このため、後遺障害の内容によっては、障害等級表のどの等級に当てはめるのが相当であるかといった問題が生ずるが、このような場合、結局は、当該障害と障害等級表の各等級に定められた他の障害の程度と比較して相当と認められる等級を判断するほかない。 この問題に対処するため、労働省においては、被告の主張するように、詳細な認定基準を設定して、この基準に則って認定業務を処理するようさせており(〈証拠略〉)、被告もこの認定基準に則り、左足の疼痛について、「労働には通常差し支えないが、時には強度の疼痛のためある程度差し支える場合があるもの」と認めて第一二級の一二に該当するとし、足関節の運動機能障害については、その障害の程度が障害等級表に定める障害の程度に至らないものと認めて補償をすべき障害とは認定しなかったものである。 原告の左足の疼痛と足関節の運動機能障害に関する後遺障害については、同種の障害で程度の異なるものの障害等級表の等級の定め及び同一等級の他の障害の程度などを対比すると、認定基準のこの点に関する定めは合理性のあるものであり、右認定のその障害の程度からすれば、被告がこの認定基準に基づき、前者を障害等級表の第一二級の一二に該当するとし、後者を障害等級表第一〇級の一〇、第一二級の七に該当せず、したがって、障害等級表のいずれにも該当しないとしたのは相当であるということができる。 |