ID番号 | : | 06038 |
事件名 | : | 行政処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 魚津労基署長(ホテル桃源)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | ホテルの雑役婦をしていた女性が作業中に発症した脳内出血につき、作業中の転倒によるものであるとして、業務災害に当たらないとした労基署長の不支給処分が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法施行規則別表1の2第9号 労働基準法75条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 脳・心疾患等 |
裁判年月日 | : | 1992年10月9日 |
裁判所名 | : | 富山地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成3年 (行ウ) 2 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例619号39頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-脳・心疾患等〕 原告が転倒したのは午後六時ころでCTスキャンを施行したのが午後七時二〇分ころであるが、CTスキャン施行時には脳内血腫は既にかなり完成された一つの塊として存在していたこと(前記1(三))、脳内出血は三時間から六時間くらい持続して大きくなるものである(〈人証略〉)ところ、右のとおり血腫が既に塊として存在していたことに照らすと、少なくともCTスキャン撮影時の三時間前には出血が始まったと考えられること、更に、原告には高血圧症の症状があり搬入時の収縮期血圧も二一〇mmHgと高く(前記1(一))、大動脈弓の石灰化という動脈硬化症がみられ(前記1(三))、出血部位が高血圧性に好発の被殻部であって血腫の態様も高血圧性特有の一つの塊として存在している(〈人証略〉、前記1(三))高血圧性脳内出血と考えることが合理的であること、以上の点を総合考慮すると、結局、原告の脳内出血の原因を外傷性のものであると認めることはできないというべきである。〔中略〕 以上によれば、原告の脳内出血は、業務上の事由によるものとは認められない。 |