ID番号 | : | 06070 |
事件名 | : | 金員支払等仮処分命令申立事件 |
いわゆる事件名 | : | シンコーエンジニアリング事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 複数の事業を行う会社が、ホテルの一つを閉鎖し、営業譲渡を理由としてなした従業員の解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 企業解散・事業の一部廃止・会社制度の変更 |
裁判年月日 | : | 1993年2月1日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成3年 (ヨ) 2406 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労経速報1490号16頁/労働判例627号19頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-企業解散・事業の一部廃止・会社制度の変更〕 (七) AはB労働組合を嫌悪し、同組合に体する差別的言動に終始していたこと(前判示のとおり、団体交渉等で組合否認の態度をとっていたこと、第二組合結成を呼び掛けたこと、組合結成直前に債権者Xを特に合理的な理由を示すことなく一方的に解雇し、抗議を受けるや撤回していること、債権者ら二名を除くその余のホテルCの従業員については有限会社Bによる雇用の意思を確認し、現にその意思を表明した者についてはこれを同社に雇用させたこと) (八) ホテル事業閉鎖後、役員、資本的関係から実質的に別の法人格であるのか疑わしい有限会社Bをして営業を継続せしめていること 等の事実を彼此勘案すれば、債務者が平成三年七月当時資金繰りの困難を来していたことは認めることができるとしても、ホテル事業から撤退せねばならない客観的状勢にあったとまでは認定することは困難であって、仮に資金繰りの困難さと予想外の収益の悪化を最大限に考慮するとしても、少なくとも本件解雇は解雇権の濫用には当たることは疑問の余地がなく、債権者らに対する本件解雇は無効である。 |