ID番号 | : | 06082 |
事件名 | : | 公務外認定処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 地公災基金鹿児島県支部長(牧之原高校教員)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 僧帽弁閉鎖不全症の基礎疾病を有する高校教諭の急性心臓死が公務災害にあたるか否かにつき、業務起因性が認められず公務外とした地公災基金支部長の処分が適法とされた事例。 |
参照法条 | : | 地方公務員災害補償法31条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 業務遂行性 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 職業性の疾病 |
裁判年月日 | : | 1986年12月2日 |
裁判所名 | : | 鹿児島地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和57年 (行ウ) 1 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | タイムズ626号142頁/労働判例495号80頁 |
審級関係 | : | 控訴審/福岡高宮崎支/平 5.12.15/昭和62年(行コ)1号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-職業性の疾病〕 1 地方公務員災害補償法三一条は、職員が公務上死亡した場合において、遺族補償として、職員の遺族に対して遺族補償年金または遺族補償一時金を支給する旨規定しているが、ここにいう公務上の死亡とは、職員が公務に基づく負傷または疾病により死亡したことをいい、公務の遂行と死亡との間に相当因果関係が認められることが必要であると解される。そして職員がかねて基礎疾病に罹患しており、その増悪の結果死亡の結果を招いた場合であっても、基礎疾病の増悪について公務の遂行が相対的に有力な原因として作用し、その結果右基礎疾病を急激に増悪させて死亡の時期を著しく早めるなど、公務の遂行が基礎疾病と共働原因となって死亡の結果を招いたと評価できる場合には、右公務の遂行と死亡との相当因果関係を肯認できるというべきである。 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-業務遂行性〕 5 以上の事実を総合して判断すると、Aの昭和五一年四月以降の公務は比較的多忙であったものの、その遂行がAの基礎疾病たる僧帽弁閉鎖不全症を著しく増悪させ、その死亡時期を著しく早めるような過重なものであったとはいまだ認められず、また、その間の右僧帽弁閉鎖不全症の推移も、右公務の遂行と相関関係を見出せるような顕著な増悪があったとも認められないから、Aの死亡と公務の遂行との間に相当因果関係は認められないものといわざるを得ず、右と同旨の判断をした本件処分は相当である。 |