全 情 報

ID番号 06089
事件名 懲戒処分取消請求上告事件
いわゆる事件名 全林野青森地本事件
争点
事案概要  公労法一七条違反を理由とする停職処分、減給処分、戒告処分を有効とした原判決が維持された事例。
参照法条 国家公務員法82条
公共企業体等労働関係法17条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動
裁判年月日 1987年3月19日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (行ツ) 14 
裁判結果 棄却
出典 タイムズ634号117頁
審級関係 控訴審/仙台高/昭58.10.21/昭和52年(行コ)7号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕
 三 「林野職員が公労法一七条一項の禁止を犯して争議行為の共謀、そそのかし又はあおりを行った場合には、国公法九九条に違反したものとして同法八二条一号に該当し、さらに行為の態様によっては同条三号にも該当することがあり、懲戒処分の対象とされることを免れず、また、林野職員が上司の職務上の命令に反し、公労法一七条一項の禁止を犯して争議行為を行った場合には、国公法九六条一項、九八条一項、一〇一条一項に違反したものとして、同法八二条の規定による懲戒処分の対象とされることを免れない。そして、右の争議行為は集団的行動であり、その共謀、そそのかし又はあおりの行為は右の集団的行動の一環をなすものであるが、その集団性のゆえに、争議行為に参加し、あるいは争議行為の共謀、そそのかし又はあおりの行為を行った者の個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加し、あるいは違法な争議行為の共謀、そそのかし又はあおりを行うことにより服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえないことも、多言を要しないところである(最高裁昭和五一年(行ツ)第七号同五三年七月一八日第三小法廷判決・民集三二巻五号一〇三〇頁参照)。これと同旨の見解のもとに本件懲戒処分を適法とした原審の判断は、正当として是認することができる。」