ID番号 | : | 06101 |
事件名 | : | 損害賠償等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 茨木産業開発事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 自動車教習所の指導員が教習中に教習生による自動車事故により傷害を負った場合につき、会社には安全配慮義務違反はないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1987年12月24日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ワ) 3313 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | タイムズ664号89頁/労働判例510号11頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕 三 次に、原告は予備的に雇用契約上の安全配慮義務違反に基づく請求をするので、この点について判断する。 本件において、被告に対し安全配慮義務違反の責任を追及するためには、本件教習生は路上運転をするのにふさわしい技術や知識を修得していないのに路上運転をさせ、かつ、被告の指導員が本件教習生にオーバーライン走行を指導し、本件教習生が右指導に従い原告の再三の注意を無視してオーバーライン走行をしたため本件事故が発生したことがその前提となるところ、右主張に沿う原告本人尋問の結果は、後記理由により措信できず、他に右事実を認めるに足りる証拠はない。 そもそも、教習生が指導員の再三の注意を無視してオーバーライン走行を繰り返すような場合には、事故の発生が十二分に予想されるのであるから、添乗指導員としては、当該教習生の運転を直ちに中止させ、自ら運転して教習所に引き返し、その旨報告すべき義務があること明白であるから、この基本的義務を怠り発生せしめた事故の責任を、教習所に対して安全配慮義務違反を理由に、指導員が追及しうるか極めて疑問である。 なお、証人A及び同Bの各証言によれば、本件教習生は、センターラインのある片側一車線の道路において、指導員たる原告の指示により、教習車と同一方向に走っている自転車を追い抜こうとして、オーバーラインしたため対向車と自車のそれぞれ右フェンダー部分が衝突し、本件事故を起こしたことが認められる。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、安全配慮義務違反に基づく原告の請求は理由がない。 |