ID番号 | : | 06103 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 阿知須町事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 条例にもとづかず昇給措置をした町長の行為に違法があるとして、住民による損害賠償請求が一部認容された事例。 |
参照法条 | : | 地方自治法204条3項 地方自治法204条の2 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権と考課査定・昇給昇格・降格・賃金の減額 |
裁判年月日 | : | 1988年3月31日 |
裁判所名 | : | 山口地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和58年 (行ウ) 6 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 行裁例集39巻3・4号205頁/時報1293号89頁 |
審級関係 | : | 上告審/最高一小/平 5. 5.27/平成2年(行ツ)96号 |
評釈論文 | : | 金子芳雄・判例評論364〔判例時報1306〕188~191頁1989年6月1日 |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金請求権と考課査定・昇給昇格・賃金の減額〕 二 「被告は、本件特別調整において、旧来からの条例所定の手続きに乗る形で昇給を為してはいるものの、実質は一般職員の給与につき、これを一括して調整しようとする文字通り特別の調整措置であって、右条例第四条によって町長に委ねられた裁量の範囲を超えるものであり、地方自治法二〇四条三項、二〇四条の二により条例で定めなければならないものであって、条例の定めなくして右調整措置に基づく給与支給をすることは違法というほかない。 被告は、本来の条例・規則の基準に従った初任給を基礎とするように給与の是正をなす措置に過ぎないから、条例の定めを要しない旨主張するけれども、初任給についても一旦給与命令が出され、これに基づき給与支給がなされた以上、条例・規則の基準にそのまま従ったものでなくても有効であって、昇給等の手続も右給与を基礎として進められるほかないのであるから、これを覆滅し遡って条例・規則の基準どおりに初任給を定めたものとして給与を改める権限が町長に委ねられているとは到底解せられ……ない。 そうすると、本件特別調整措置は条例に基づかないものとして違法であり、これに基づく増額給与部分の支給も違法である。」 |