ID番号 | : | 06106 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 淡路貨物自動車事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 町議会議員の任期満了後の復職要求が拒否されたケースにつき、地位確認の請求と賃金支払請求が認められた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法7条 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 公民権行使 / 公民権行使と休職・解雇 休職 / 休職の終了・満了 |
裁判年月日 | : | 1988年9月6日 |
裁判所名 | : | 神戸地洲本支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ワ) 57 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例533号97頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則-公民権行使-公民権行使と休職・解雇〕 〔休職-休職の終了・満了〕 (1) (証拠略)によると、被告会社には従業員の人事管理に関する個人台帳があるが、原告については被告主張の時期に懲戒解雇処分をなした旨の記録はなく、帳簿上在籍していることになっており、これを前提に、被告会社は昭和五七年二月一八日原告に対し健康被保険者証を交付していることが認められ、反証はない。 (2) (証拠略)及び弁論の全趣旨によると、被告会社とその従業員で組織する組合との間で締結された労働協約には、会社が従業員を休職にする場合、公務休職について発令の日より在任する期間とし、当該休職期間満了前にその事由が消滅したときに復職を命ずる旨の規定があることが認められ原告の津名町議会議員としての在任中は右の公務休職事由に該当するから、辞任等の終了事由がない限り、被告の一方的な業務の都合によって中途で復職を命じるべき根拠はないといわざるをえない。 (3) (証拠略)によると、前記労働協約には、会社の業務命令に従わないことを理由に組合員を懲戒解雇するには会社と組合が協議のうえ決定する旨の人事協定があるところ、被告主張のAは長い間組合役員を歴任してきた原告の議員再選に同志として応援していたものでその懲戒解雇について、一存で不利益処分を了承する立場になく、これが労使協議会に提案されたことも、その準備として組合の機関会議で議論されたこともないことが認められ、反証はない。 (4) (証拠略)及び弁論の全趣旨によると、被告会社の従業員が退職時通常とるべき離職票並びに退職金の各請求その他の退職手続を原告の場合は実践していないことが認められ、反証はない。 以上(1)~(4)の事実と原告本人尋問の結果を併せると、前記被告会社代表者の供述は到底採用しがたく、抗弁は理由がない。 被告が原告の町議会議員としての任期が昭和六二年五月九日終了したにも拘らず、復職、就労を認めず現在に至っていることは当事者間に争いがないから、原告は被告との関係で賃金請求の前提として従業員たる地位の確認を求める利益がある。」 二 「そうすると、被告は原告に対し、従業員(小型運転士)としての権利を認め、昭和六二年五月以降毎月二八日限り月額一八万五〇〇〇円及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金、金六万三六四四円(六二年年末一時金相当額-編注)及びこれに対する昭和六二年一二月一九日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金をそれぞれ支払う義務がある」。 |