ID番号 | : | 06129 |
事件名 | : | 退職金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | バンク・インドスエズ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 雇用契約の解約にあたって、「何らのindemnityの支払義務を負わない」旨の特約がある場合につき、退職手当の支払義務をも負わない意味を有するとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3の2号 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算 |
裁判年月日 | : | 1993年3月19日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成3年 (ワ) 4622 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例636号70頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 山川隆一・ジュリスト1048号108~110頁1994年7月1日 |
判決理由 | : | 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕 原告は、被告が退職手当支払義務を負わないエクスパットや被告本店派遣のフランス人スタッフそのものではなく、また、原告が被告就業規則における特別契約(嘱託)社員または退職年金規程におけるコンサルタントに該当することが一義的に明確であるとまではいえないのであるから、本件契約上被告が原告に対して退職手当支払義務を負うか否かは、これを肯定するにせよ否定するにせよ、本件契約書中において明確にされるのが通常の契約形態であると考えられる。従って、本件契約書中の「被告は原告に対し、退職の場合において何らの『indemnity』の支払義務を負わない。」との条項は、被告が原告に対して退職手当の支払義務を負わないことを明確にする趣旨で設けられた条項であると解するのが、本件契約の解釈として客観的合理性を有するとともに契約当事者の合理的意思にも合致するというべきであって、右条項により、原告及び被告は、被告が原告に対して退職手当支払義務を負わないことを合意したものと認めることができる。 |