ID番号 | : | 06164 |
事件名 | : | 退職金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本情報企画事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 取締役と従業員を兼務していた者につき、取締役は名目的なものであって、就業期則の退職金規定が適用される従業員にあたるとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3の2号 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算 |
裁判年月日 | : | 1993年9月10日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成5年 (ワ) 6036 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労経速報1511号14頁/労働判例643号52頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕 2 右事実によれば、原告らは、入社時から形式的には取締役と従業員を兼務していたが、取締役としての地位は全くの形式的、名目的なものであって、従業員として代表取締役の指揮・命令に従ってその業務に従事してきたものであり、賃金についても、その全額が形式的にも実質的にも従業員の賃金として支払われてきたものと認められるから、原告らは、就業規則の退職金規定が適用される従業員であったものと認めるのが相当である。 これに対し、被告は、退職金規定には従業員が役員に就任したときは退職金が支給される旨規定されているから、役員には退職金請求権が認められないと主張するが、右規定は、役員就任時にそれまでの雇用契約に基づく従業員としての退職金を支給するとの趣旨のものにとどまるのであって、役員就任時以降も従業員としての地位をなお兼有する場合には、右規定にかかわらず、その従業員としての労務提供の対償たる賃金部分について退職金規定が適用される余地があるのであり、まして、前記のとおり、原告らは、入社時の取締役就任が全くの名目的なもので、その後も退職するまでもっぱら一従業員として就労してきたものであるから、右規定は、原告らについて退職金規定の適用を排除する根拠とはなりえない。 |