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ID番号 06167
事件名 懲戒(戒告)処分取消請求事件
いわゆる事件名 東京都江東区長事件
争点
事案概要  職務命令違反を理由とする戒告処分が適法とされた事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反
裁判年月日 1993年9月27日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成4年 (行ウ) 70 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1512号18頁/労働判例648号70頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕
 ところで、前記一2の扶養義務履行照会書の新様式照会書導入に関し、また同一3の障害児の保育所入所措置に関し、原告は、A所長から暴言・暴行をやめるよう、また自己の職務を責任をもって処理するよう、再三にわたって、口頭や文書による注意すなわち職務命令を受けたにもかかわらず、同命令に全く従わず、かえって更に暴言・暴行を激化させていったことは、前記認定のとおりである。
 原告は、障害児の保育措置事務に関し、A所長から受けた指示(職務命令)は違法なものであったと主張するが、証拠(略)によれば、同所長は、障害児の保育所入所措置を決定するに当り、【1】保育所の保育になじむ者、【2】一般的に中程度までの障害児で集団保育が可能で日々通所できる者、との内容の厚生省児童家庭局長通知(昭和五五年二月二二日、児発第九二号)を参考にし、障害児を受入れる保育園側の人的、物的施設の状況等を勘案して、障害児の保育所入所措置に関する指示をしたものと認められ、同指示に明白かつ重大な違法があるとはいえず、原告には、これに従う義務があったというべきである。
 そして、原告の前記一2及び3の行為について、被告が原告を本件戒告処分にしたことをもって、懲戒権者が考慮すべき前記諸般の事情に照らし、社会通念上著しく妥当を欠くとは到底いえない。