ID番号 | : | 06203 |
事件名 | : | 療養補償給付不支給処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 福岡中央労基署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 給食調理員の腰痛症につき、腰部負荷を伴う業務であり業務起因性ありとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法7条1項 労働者災害補償保険法12条の8 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 業務起因性 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 職業性の疾病 |
裁判年月日 | : | 1993年9月14日 |
裁判所名 | : | 福岡高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成3年 (行コ) 21 |
裁判結果 | : | 棄却(確定) |
出典 | : | 労働民例集44巻4-5号784頁/タイムズ874号180頁/労働判例646号60頁 |
審級関係 | : | 一審/05828/福岡地/平 3.11.21/昭和60年(行ウ)20号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-業務起因性〕 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-職業性の疾病〕 なお、当審において、証人Aは、被控訴人の腰痛は、先天的素因も影響しているとした上で、腰椎の前弯の増強があることや椎間関節に硬化像があることから不良姿勢も原因であるとして、被控訴人の給食調理業務と被控訴人の腰痛との因果関係を否定するかのような証言をするので(同証人作成の乙六五号証の意見書も同趣旨)、この点について検討するのに、原審証人Bの証言によると、A証人が指摘する被控訴人の腰椎の前弯の増強は正常値の範囲内のものと認められ、また、A証人自身が認めるように椎間関節の硬化像は軽度のものであって、これが腰痛の原因となっているかどうか必ずしも明らかではなく、総合的な判断が必要であること、原審証人Cの証言及び前記認定事実によると、被控訴人には特に問題となるような遺伝的素因や既往の怪我などもないこと、被控訴人の給食調理業務をみると、大量の調理材料の運搬、大型器材による調理、配缶、洗浄、格納作業など中腰、前かがみ、しゃがむ姿勢など腰部に負担のかかるような困難な作業をしかも制約された時間の中で繰り返し行う業務であること、被控訴人は、公社に入社する前は腰痛の発症するような業務についたことがなく、公社に入社して約五年後の昭和五三年ころから腰痛を訴えるようになったこと、被控訴人の腰痛が悪化した昭和五五年を中心にして、昭和五四年から昭和五六年にかけて公社の従業員に腰痛症が多発していること、労働基準監督署もこれを重視して、前記のように、公社に対して改善措置をとるよう指導していること、右の改善措置後、従業員の腰痛が減少していることなどを考え併せると、被控訴人の腰痛は、被控訴人の業務に起因するものと認められるから、被控訴人の腰痛と給食調理業務との因果関係を否定するかのようなA証言は採用できない。 |