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ID番号 06262
事件名 年次有給休暇保有日数確認並びに未払賃金請求控訴事件
いわゆる事件名 三菱重工業長崎造船所事件
争点
事案概要  造船会社がその事業場の約九八パーセントを組織する労働組合との間で締結した労働基準法三九条五項所定の、いわゆる計画年休に関する協定が、これに反対する少数派労働組合の労働者をも拘束するか否かが争われた事例。
参照法条 労働基準法39条5項
体系項目 年休(民事) / 計画年休
裁判年月日 1994年3月24日
裁判所名 福岡高
裁判形式 判決
事件番号 平成4年 (ネ) 306 
裁判結果 一部棄却(確定)
出典 労働民例集45巻1・2合併号123頁
審級関係 一審/05848/長崎地/平 4. 3.26/平成1年(ワ)549号
評釈論文 中島正雄・労働判例百選<第7版>〔別冊ジュリスト165〕128~129頁/萬井隆令・労働判例百選<第6版>〔別冊ジュリスト134〕112~113頁1995年5月
判決理由 〔年休-計画年休〕
 当裁判所も、平成六年二月三日現在における本件選定者らの年次有給休暇保有日数が前記一覧表(2)欄記載のとおりであることの確認を求める控訴人らの請求は、同一覧表(7)欄記載の保有日数の限度で理由があるが、これを超える部分は失当であり、控訴人Xの賃金の支払を求める請求は、失当であると認定、判断する。〔中略〕
 被控訴会社Yにおける本件計画年休は、労基法三九条五項の規定により年次有給休暇の計画的付与制度が新設されたことに伴い、その趣旨に則り、年次有給休暇の取得を促進するため、平成元年から、全体の約九八パーセントの従業員によって構成されるA労組との間の書面による協定に基づいて実施されたものであるところ、本件協定の締結に当たっては、昭和六三年一〇月以降、三つの労働組合との団体交渉を通じて、右制度導入の提案、趣旨説明、意見聴取等適正な手続きを経由したことが認められる。そして、本件計画年休は、その内容においても、事業所全体の休業による一斉付与方式を採用し、計画的付与の対象日数を二日(平成五年からは、四日)に絞るとともに、これを夏季に集中することによって大多数の労働者が希望する一〇日程度の夏季連続休暇の実現を図るという法の趣旨に則ったものであり、現時点において年休取得率の向上に寄与する結果が得られていると否とを問わず、本件選定者ら(B労組組合員)について適用を除外すべき特別の事情があるとは認められない以上、これに反対の本件選定者ら(B労組組合員)に対しても、その効力を有するものというべきである。