ID番号 | : | 06267 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分命令申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 大阪神鉄交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 接客態度不良を理由とするタクシー運転手に対する諭旨解雇が有効とされた事例。 諭旨解雇につき賞罰委員会の議決を経ていなくても解雇の効力は左右されないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務懈怠・欠勤 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒手続 |
裁判年月日 | : | 1994年3月31日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成5年 (ヨ) 2985 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労経速報1539号19頁/労働判例660号71頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務懈怠・欠勤〕 二 以上の事実によると、本件トラブルは、雨降りに客を求めて走行するタクシーが社内に煙草の煙を立ち込めていた点ですでに債権者の接客態度に問題なしとはいえないうえ、半ドアという乗客の安全に影響しかねない状態で運転し、他から指摘されたのに乗客にはっきり分かる謝罪態度をとらなかったことなどから、乗客が立腹し、その憤懣が収まらず、数日後に苦情を寄せ、さらに監督官庁にまで知らせるに及んだというものであり、従前トラブルによって処分を受けていることなどを考慮すると、本件トラブルにおける債権者の行為は、サービスと安全を重視すべきタクシー運転手の服務規律違反として懲戒に相当し、諭旨解雇されてもやむを得ないものというべきである。 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒手続〕 債権者は本件解雇に当たって賞罰委員会を経なかったことから解雇は無効であると主張するが、規定上賞罰委員会の開催は必要的ではなく、従前トラブルに対する処分の経緯、本件解雇に至るまでの労使協議の経過などからすると、賞罰委員会が開催されなかったことをもって本件解雇の効力が左右されるものではない。 |