ID番号 | : | 06322 |
事件名 | : | 地位保全申立事件 |
いわゆる事件名 | : | ナショナル・シッピング事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 外国(サウジアラビア)法上の会社の東京事務所に勤務する労働者に対する解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇の自由 |
裁判年月日 | : | 1992年3月4日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成3年 (ヨ) 2270 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例617号75頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 樋爪誠・ジュリスト1112号152~154頁1997年6月1日 |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇の自由〕 右事実によれば、本件解雇が有効とされるためには「有効な理由」の存在することが必要であると解される。この点につき債務者は、本件雇用契約の準拠法はサウジアラビア法であり、サウジアラビア法によれば使用者は理由のいかんを問わずに被傭者を解雇できることになるので本件解雇には特に理由は必要でない旨主張するが、右のとおり本件雇用契約において解雇には「有効な理由」が必要とされることが契約内容に含まれていると解釈できる以上、本件解雇の効力の判断は右契約内容に従って行われるべきであるから、準拠法のいかんを問題とする必要はないというべきである(なお、本件疎明資料によれば、サウジアラビア労働法七三条は雇用契約につき「契約期間が特定されていない場合、正当な理由をもって契約を解除することができるが、月額の給与を得る労働者に関しては三〇日、その他の労働者に関しては一五日以前の通告を条件とする。」と規定し、解雇に「正当な理由」が必要であるとしていることが認められるから、仮にサウジアラビア法によったとしても、債務者の主張が認められないことは明らかである。)。 |