ID番号 | : | 06388 |
事件名 | : | 地位保全及び賃金仮払い仮処分申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 日光陸運事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 同僚との暴力事件を理由として運送会社から懲戒解雇された運転手が、その効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 暴力・暴行・暴言 |
裁判年月日 | : | 1994年9月2日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成6年 (ヨ) 343 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例668号26頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-暴力・暴行・暴言〕 本件解雇についてみるに、本件暴力事件における債権者の行為が債務者の懲戒解雇事由に該当することは前叙のとおりであるけれども、前認定のとおり、本件暴力事件の態様も執拗悪質とまではいえないものであり、結果も比較的軽微にとどまったこと、債権者が本件暴力事件に及んだことについては、前回解雇和解成立以後の職場の雰囲気が債権者の不満感を欝積させるようなものであり、これが本件暴力事件発生の一つの契機となったことが窺えること、債権者の長年にわたる勤務態度は概ね良好で、処分歴もないこと、一方、前回解雇以降、とりわけ前回解雇が当裁判所の和解により解決し、債権者が職場に復帰して以降の債務者の債権者に対する応接態度は、必ずしも和解の趣旨を十分に生かしたものといえないものであったこと、そして懲戒解雇処分の重大性等を総合勘案すると、本件(懲戒)解雇は債権者の非違行為に比して過酷な処分といわざるを得ず、権利の濫用として無効というべきである。 |