ID番号 | : | 06410 |
事件名 | : | 退職金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 大島波浮港自動車教習所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 本件原告たる取締役らは、会社の中心としてその経営、管理に当たっており、雇用保険の適用もなく、税務上も役員として取り扱われており、会社との間に使用従属関係はなく、従業員としての地位をも有していたとはいえないとして、職員退職金規定の適用はないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法10条 労働基準法89条1項3号の2 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / 取締役・監査役 解雇(民事) / 解雇予告と除外認定 / 労働者の責に帰すべき事由 賃金(民事) / 退職金 / 退職慰労金 |
裁判年月日 | : | 1994年11月14日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成5年 (ワ) 12578 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例674号39頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則-労働者-取締役・監査役〕 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕 〔賃金-退職金-退職慰労金〕 二 右認定事実によると、原告らは、被告会社設立に向けて中心的な役割を果たし、設立後も被告会社の中心となってその経営、管理に当たってきたこと、原告らの職務遂行に対する報酬は、被告会社の業績悪化に伴って漸次減額されたこと、原告らには諸手当の支給や雇用保険の適用はなく、税務上も役員としてのみ取り扱われてきたことなどが明らかであり、これらの点を総合考慮すると、原告らが被告会社との間で使用従属関係があったということはできない。そうすると、原告らが取締役としての地位のほかに従業員としての地位を有していたとはいえない。すなわち、原告X1は自動車教習所長、原告X2は同次長の名称で、業務の一部を分担する常勤取締役としてそれぞれ稼働していたものというべきである。 三 まとめ 以上のとおり、原告らは、従業員を兼務しない取締役であったもので、従業員を対象とする職員退職金規定の適用はないから、原告らの請求はいずれも理由がない。 |