全 情 報

ID番号 06414
事件名 地位保全等仮処分命令申立事件
いわゆる事件名 住吉学園事件
争点
事案概要  学校批判のビラ配布、職務怠慢行為などを理由とする私立学校教員に対する解雇が権利濫用に当たり無効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法89条1項9号
民法1条3項
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用
懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務能力
解雇(民事) / 解雇事由 / 職務能力・技量
解雇(民事) / 解雇権の濫用
裁判年月日 1994年11月22日
裁判所名 大阪地
裁判形式 決定
事件番号 平成6年 (ヨ) 1213 
裁判結果 認容,一部却下
出典 労経速報1555号10頁/労働判例674号22頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕
〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務能力〕
〔解雇-解雇事由-職務能力・技量〕
〔解雇-解雇権の濫用〕
 以上検討したところによると、(一)ビラ配付の点については、その内容や配付方法(対象)に遺憾な点があるものの、(二)単位認定問題については、債権者に落ち度があるとまではいい難く、(三)職務怠慢行為については、債権者に落ち度がないか、あるいはあっても軽微な(しかも、かなり古い出来事であり、しかも頻発しているわけではない。)事由であり、(四)本件記録から窺われる一切の事情を考え併せても、債権者が教師としての適格性に欠けているとまではいい切れないから、債権者に対し解雇をもってのぞむのはいささか苛酷であって、懲戒解雇が相当でないことはもとより、普通解雇としても合理性に欠けるというべきである。
 そうすると、本件解雇は、解雇権の濫用であって、その余の点に判断するまでもなく無効というほかない。