ID番号 | : | 06478 |
事件名 | : | 不利益処分取消等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 宮代町教員(研修命令)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 中学校の教頭であった者に対して教育長によりなされた長期の研修命令につき、右教頭が研修命令は本来の地位・職務と抵触するもので、勤務場所および勤務内容を変更するものであるから、転任処分と同様、任命権者である県教育委員会でなければなしえないとしてその命令の取消等を求めた事例。 |
参照法条 | : | 教育公務員特例法19条 教育公務員特例法20条 国家賠償法1条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 使用者に対する労災以外の損害賠償 |
裁判年月日 | : | 1986年3月17日 |
裁判所名 | : | 浦和地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和57年 (行ウ) 8 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | タイムズ607号81頁/労働判例474号56頁/判例地方自治23号47頁 |
審級関係 | : | 控訴審/05283/東京高/平 1. 8.21/昭和61年(行コ)41号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-使用者に対する労災以外の損害賠償〕 教育長は、自己が本件各研修命令を発する権限を有するか否かについて知らず、原告の処遇について県教委に諮ったところ、県教委は文部省に市町村教育委員会が服務監督権により研修命令を発することができるかを確認した上、本件各研修命令を発令するよう指示し、教育長は発令する権限があるか否かについて考慮しようともせず、県教委にいわれるままに本件各研修命令を発したものと認められる。 この事実によれば、教育長は、第二次及び第三次研修命令を県教委の助言と指導を受けて発したものであるが、仮にそうであったとしても、発令者として自己の責任で権限の有無を考慮すべきであったといえるから、過失により、原告に対し、第二次及び第三次研修命令を発したものということができる。 被告は、公務員たる教育長の任命権者である町教委の設置者であるから、国家賠償法一条一項により、後記損害を賠償する責任がある。 |