ID番号 | : | 06576 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申立事件 |
いわゆる事件名 | : | ジャレコ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 平成五年秋以降急速に経営が悪化した会社において人員削減が行われたのに対して、右整理解雇の対象になった従業員が地位保全等の仮処分を申し立てた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法89条1項3号 民法1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇権の濫用 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇基準・被解雇者選定の合理性 解雇(民事) / 整理解雇 / 協議説得義務 |
裁判年月日 | : | 1995年10月20日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成7年 (ヨ) 21183 |
裁判結果 | : | 一部認容,一部却下 |
出典 | : | 労経速報1588号17頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-整理解雇-整理解雇基準〕 右に認定した事実によれば、債務者においては平成五年秋以降急激に経営が悪化し、人員削減の必要が生じたこと、勧奨退職者が予定人員に達せずやむなく四名の解雇に踏み切らざるを得なかったことが認められる。しかしながら、四名の人選については能力と勤務態度を基準として行われたことが認められるものの、人員削減の対象を開発四部に限定したことや、同部所属の者の中で被解雇者四名を選定するに当たり、他の従業員と比較してどのようにその能力や勤務態度が劣ると判断されたのかについて具体的な検討の結果が窺われず、人選の過程が合理的であったとの疎明は十分とはいい難い。 〔解雇-整理解雇-協議説得義務〕 また、その手続においても、労働組合の団体交渉の申し入れを拒否しているばかりか、人員削減の必要性について説明をして協力を求めるなどの措置を講じた形跡や希望退職を募る段階でも予定人員に達しなかった場合には解雇を行うことがあり得ることが伝えられた形跡もなく、考慮期間をわずか一〇日間しか与えられていないなど、性急に過ぎるとの感を免れない。 〔解雇-解雇権の濫用〕 これらを考慮すると、本件解雇は合理的な人員によるものとは認められない上、信義的に従い誠実に手続を進めたものともいえず、解雇権を濫用してされたものであって無効であると解するのが相当である。 |