ID番号 | : | 06740 |
事件名 | : | 不当労働行為救済命令取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 岡山電気軌道事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 基本給以外の賃金についてはストライキの際にカットしないという「事実たる慣習」としての労使慣行が確立している場合、この慣行を破棄・改変するためには合理的な理由が必要であり、手段的にも労働組合との交渉・説得が必要とし、本件においては、経営合理化のためより、ストライキに対する報復と将来のストライキを抑制し、組合の弱体化を目的としており不当労働行為に当たると判断し、労働委員会の救済命令を維持した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条 労働組合法7条1号 労働組合法7条3号 民法92条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 労働慣行・労使慣行 |
裁判年月日 | : | 1995年10月31日 |
裁判所名 | : | 広島高岡山支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成6年 (行コ) 12 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例696号84頁 |
審級関係 | : | 一審/岡山地/平 6.10.12/不明 |
評釈論文 | : | 籾山錚吾・ジュリスト1121号159~161頁1997年10月15日 |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-労働慣行〕 一 当裁判所も、控訴人の訴え中、本件命令主文二の取消しを求める部分については、これを却下すべきであり、その余の控訴人の請求についてはこれを棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり補充するほかは、原判決の理由と同一であるから、これを引用する〔中略〕。 控訴人は、仮に基本給以外の賃金についてストカットをしないという労使慣行が確立していたと認められるとしても、「事実たる慣習」としての労使慣行は、相当な予告期間を設けて一方的に告知する方法により、あるいは、従前の慣行を改変する事実が継続することによって破棄、失効させることができると解すべきであると主張する。しかし、基本給以外の賃金についてストカットをしないという確立した労使慣行の破棄、改変は、補助参加人所属の組合員の控訴人に対して有する賃金請求権の内容を変更するものにほかならないから、これが可能としても、合理的な理由と必要性のあることを要すると解されるし、また、手続的にも、その理由及び必要性を示して、交渉又は説得の手続を踏むべきであり、それらを要しないとの控訴人の主張は採用することができない。 |