ID番号 | : | 06748 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 履正社事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 高校非常勤講師の期間を定めた労働契約を一回更新した後雇止めしたことにつき、期間満了により労働契約は終了したと判断した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法14条 民法628条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め) |
裁判年月日 | : | 1995年11月28日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成7年 (ヨ) 944 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労経速報1590号27頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕 三 債権者は、平成五年四月一日からの雇用契約が、非常勤講師として平成六年三月二五日までの期間を定めたものであること、そして、債権者が、債務者との間で平成六年四月一日から平成七年三月二五日までを契約期間とする非常勤講師契約書(書証略)に署名したことは認めるものの、債権者は、非常勤講師として債務者と契約するに至ったのは、最初の契約に際し、当時、面接に当たった本件高校のA校長から、二年目以降は専任教諭として期間の定めのない契約をするとの約束がなされたことによるものであるとして、本件契約は期間の定めのない契約であり、期間の定めのある契約であったとしても、債権者が期間満了後の雇用の継続を期待することに合理性が認められる場合に該当するから、その雇い止めには解雇の法理が適用又は類推適用されるべきである旨主張する。 四 よって、検討するに、債権者が債務者に雇用されるに至った経緯については当事者間の主張に相違があるものの、債権者とA校長との間にはそれまで面識がなかったというのであるから、債権者がいかに国立B大学卒業者で、同大学院博士課程終了者であるとしても、最初の面接時に債権者主張のような約束をしたと容易に認めることはできない。 また、債権者は、同校長が平成五年八月三一日に債務者を退職してからも、債務者側との間で契約期間を確認することをしないまま勤務を続け、契約期間を明記してある平成六年四月八日付けの、前記非常勤講師契約書に署名しているのであるから、本件契約は、一年を超えない雇用期間の定めのある契約として成立したものと解される。 そして、債権者が、これまでいくつかの学校などで、期間を定めた非常勤講師をしたことがあり、債務者に雇用された後も、C短期大学非常勤講師を兼任していることなど前記認定の債権者の経歴、本件高校における勤務の形態、勤務期間などに照らせば、債権者が本件契約の期間満了後も雇用の継続を期待することに合理性があるとはいえないから、本件雇い止めに解雇に関する法理の適用又は類推適用があるとする債権者の主張は理由がない。 そうすると、本件契約は、平成七年三月二五日の満了をもって当然に終了したものというべきである。 |