ID番号 | : | 06762 |
事件名 | : | 保全異議申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 情報技術開発事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 期間の定めのある雇用契約を更新してきたパートタイマーに対する雇止めにつき、実質的に期間の定めのない雇用契約と異ならない状態で存在しており、解雇してもやむを得ない特段の事情がなければ許されないとし、本件では雇止め回避のための努力が尽くされていないとして、右雇止めを無効とした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法628条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め) |
裁判年月日 | : | 1996年1月29日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成7年 (モ) 52818 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例689号21頁/労経速報1591号24頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕 本件パート契約は期間が明示されているものの、債権者が職務について継続かつ専門性を有することを前提に契約し、更新を重ねてきたものである。したがって、債権者において雇用継続について高度の期待を抱いていたものであると認められ、債務者もこれを十分認識していたのであるから、実質的には期間の定めのない契約と異ならない状態で存在していたものであると認定できるから期間の経過のみでは当然に雇用契約が終了するものではなく、本件パート契約については、解雇に関する法理が類推され、解雇してもやむをえない特段の事情がなければ許されない。〔中略〕 債務者が本件パート契約の雇い止めの意思表示をした当時、人員削減を含め相当な経営努力を要する状態にあり、合理化に取り組んでいたことは認められるが、債務者は、正社員であった債権者がパート社員となった経緯及びその後において正社員に復帰する希望を強く有することを十分認識しながら、パート契約は期間満了により当然終了するとの前提でこれを回避するための真摯な努力をすることなく、本件パート契約の雇い止めを決定したものと思料され、その後の本件予備的解雇も特段の事情が存在していたとはいえないから、その効力は生じないというべきである。 |