ID番号 | : | 06852 |
事件名 | : | 地位確認等請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 学校法人聖パウロ学園事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 学校法人の専任講師として雇用されていた者が、一年間の臨時雇用契約終了通知を送付されたことに対して、右契約は一年間の試用期間がついた雇用契約であったとして、雇用契約上の地位確認を求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法19条 労働基準法2章 労働基準法11条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め) 労働契約(民事) / 試用期間 / 法的性質 |
裁判年月日 | : | 1996年9月18日 |
裁判所名 | : | 大阪高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成8年 (ネ) 81 |
裁判結果 | : | 控訴棄却(上告) |
出典 | : | タイムズ935号119頁 |
審級関係 | : | 一審/06593/大津地/平 7.11.20/平成5年(ワ)394号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-試用期間-法的性質〕 1 原判決九枚目表五行目の「区別する定めはなかった。」の次に「そして、同就業規則には、新採用の職員に対しては、原則として一年間の試用期間を置き、試用期間を良好な成績で勤務したと認められた場合は、正式採用するとの規定がおかれていた(七条)。」を付加する。〔中略〕 前記就業規則の試用期間の定めと併せて考えれば、控訴人は専任講師の採用に当たっては、臨時の契約により雇用した非常勤講師等と区別して、一年間の試用期間をおいてその適格性を判断したうえ、教諭として採用することを予定していたものと考えざるを得ない。 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕 〔労働契約-試用期間-法的性質〕 控訴人は、被控訴人に対する採用通知に一年間の雇傭契約である旨の記載がないのは、事務的なミスによるものであると主張し、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙五一ないし五五号証によれば、被控訴人と同時期に採用された専任講師五名の採用通知には、平成四年四月一日より平成五年三月三一日まで控訴人の専任講師に採用しますとの記載がされていることが認められるが、これによっても被控訴人に対する採用通知が事務的なミスにより同様の記載がされなかったものと直ちにいうことはできないうえ、仮にこれが事務的なミスによるものであったとしても、右期間の記載は、試用期間の意味であるとも解されるのであって、採用通知の右記載のみで被控訴人の採用が期限付きのものではなかったとの右判断を左右するものではない。 控訴人は、被控訴人が昭和六二年四月一日から同六三年三月までA短大附属に専任講師として勤務した経験があり、同校においては一年間の雇傭契約であったから、控訴人においても同様の雇傭契約であることを認識していたはずであると主張するが、A短大附属に専任講師として勤務した経験があるからといって、直ちに控訴人においても一年間の雇傭契約であることを認識していたことにはならないというべきである。」 |