ID番号 | : | 06881 |
事件名 | : | 未払賃金請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 実正寺事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 寺において、主に葬式、法事等の受付業務に従事したり、宿直をしていた者につき、労働基準法上の労働者に当たるとした事例。 寺の仕事に従事していた者につき、時間外労働、深夜業に対する割増賃金の支払を命じた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法9条 労働基準法37条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / 宗教法人勤務者 賃金(民事) / 割増賃金 / 支払い義務 |
裁判年月日 | : | 1996年11月29日 |
裁判所名 | : | 高松高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成8年 (ネ) 133 |
裁判結果 | : | 棄却(確定) |
出典 | : | 労働判例708号40頁 |
審級関係 | : | 一審/松山地今治支/平 8. 3.14/不明 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則-労働者-宗教法人勤務者〕 〔賃金-割増賃金-支払い義務〕 一 被控訴人が労働基準法上の労働者といえるかどうかについて 以下のとおり、補正するほか、原判決の「事実及び理由」欄の第三の一ないし五に記載のとおりであるから、これを引用する。〔中略〕 勤務の実態として、宿直のときにはかかってくる電話の応対という業務もあり、寺院から自由に外出するということは許されないのであるから、拘束時間として時間外労働、深夜労働に該当するというべきであり、右労基法は労働者保護のための最低基準であるから、厳格な要件のもとに特に適用が除外されることを定めた右労基法四一条や同法三二条の二の規定の趣旨を類推して、本件の場合に時間外労働、深夜労働に該当しないと解することは相当ではない。」と改める。 二 被控訴人の従事した時間外労働及び深夜労働について 1 前記引用認定したとおり、被控訴人の勤務すべき時間は午前九時から午後五時までと定められていたものであり、平成二年四月から同年一〇月までの被控訴人の出勤日数、時間外労働及び深夜労働の時間は原判決添付の別紙労働実態表の平成二年四月分から同年一〇月分に記載のとおりであり、平成三年一月及び二月の出勤日数、深夜労働の時間は同表の平成三年一月分及び同年二月分に記載のとおりであり、また、時間外労働の時間は同年一月については一〇時間、同年二月については二五・五時間である。 |