ID番号 | : | 06964 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分命令申立事件 |
いわゆる事件名 | : | バイエル薬品事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 約一五〇〇万円の機器の不正購入、及び納入業者から受け取った一〇万円の不正使用を理由とする懲戒解雇を有効とした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 |
裁判年月日 | : | 1997年7月11日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成8年 (ヨ) 3500 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例723号68頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 したがって、債権者の主張はその前提を欠くこととなり、本件機器が債権者の業務に必要であったとは認め難い。 4 以上の本件機器の不正購入は、債務者就業規則一八条三項のうち、「会社の諸規則に違反し、又は会社の指示命令に従わず故意に会社の秩序を乱した者」(同項二号)、「許可なく会社の金品を持出し、融通使用した者」(同項四号)及び、「故意又は過失により業務に支障を生じさせ、又は会社に損害を与えた者」(同項五号)に該当することは明らかである。 しかも、その購入代金は総額で一四四三万三一八四円にのぼるのであり、企業秩序維持の観点からすると、看過し得ない秩序違反というべきである。 三 申立外A会社から受領した一〇万円について 証拠及び審尋の全趣旨によれば、債権者が申立外A会社に対して、本件機器の購入代金として、伝票上は、債権者が指示した試薬類を記載させ、金額が伝票記載のものと機器の購入代金とを合致させるように指示していたが、必ずしも、これが一致せず、約一〇万円の過払いが生じ、これについて、債権者が平成八年四月二六日にB医大において一〇万円を申立外A会社の代表取締役であるCから受け取っていることが認められる。 債権者は、右金員は申立外A会社がB医大のアルバイト女性に対して雇っていたことについてのアルバイト料であると主張する。これを認めるに足りる適確な証拠はないものの、仮に債権者以外の者に供する目的であったとしても、債務者が本来支払義務を負うものでないことは明らかというべきであり、右認定のように一〇万円が債務者に対する過払い金の精算として債権者に支払われたものである以上、債務者就業規則の懲戒事由に該当すると認められる。 |