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ID番号 07108
事件名 損害賠償請求事件
いわゆる事件名 千葉セクシュアルハラスメント(建設会社)事件
争点
事案概要  建設会社に勤務する女性職員が会社の代表取締役から性交渉を強要されるなどのセクシュアルハラスメントを受けたとして、会社及び代表取締役の双方に対して損害賠償を請求して認められた事例。
参照法条 民法709条
民法710条
民法44条1項
商法261条3項
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント
裁判年月日 1998年3月26日
裁判所名 千葉地
裁判形式 判決
事件番号 平成8年 (ワ) 1057 
裁判結果 認容(控訴)
出典 時報1658号160頁
審級関係
評釈論文 小川幸士・私法判例リマークス〔20〕<2000〔上〕>62~65頁2000年2月
判決理由 〔労基法の基本原則-均等待遇-セクシャル・ハラスメント〕
 前項で認定した事実によれば、被告Yは、原告に対し、原告の意に反した様々な性的言動を繰り返した挙げ句、性交渉にまで及んで原告の性的自由を侵害し、その結果原告に被告会社からの退職を余儀なくさせたものと認められるのであって、その行為は原告に対する不法行為というべきであり、これにより原告の被った損害を賠償すべき責任が存する。〔中略〕
 被告Yは被告会社の代表取締役であるところ、同被告の原告に対する不法行為は、前述したとおり、被告会社の事務所内で勤務時間中に行われたり、あるいはそれに引き続いた時間と経過の中で行われたもので、その態様も被告Yが被告会社の代表者であり、原告はその従業員であるという関係を利用して行われたものと評価でき、また四月一二日の件について抗議する原告に対して暗に退職を求めた言動は、まさしく被告会社の代表者としての行為であって、いずれの行為についても、被告Y1がその職務を行うにつきなされたものということができる。したがって、被告会社もまた、商法二六一条三項、七八条二項、民法四四条一項により、原告に対し損害賠償責任を負うものである。