全 情 報

ID番号 07222
事件名 休業手当請求事件
いわゆる事件名 栄商事事件
争点
事案概要  休業手当の請求につき、原告は配転命令を受けており、これにより自宅待機命令は撤回されたというべきであり、原告が勝手に自宅待機を継続しているのであり、給料債権は発生しないとされた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法24条
労働基準法26条
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 自宅待機命令・出勤停止命令
賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 就労拒否(業務命令拒否)と賃金請求権
休職 / 休職期間中の賃金(休職と賃金)
裁判年月日 1998年9月28日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成9年 (ワ) 25161 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1691号22頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労働契約-労働契約上の権利義務-自宅待機命令・出勤停止命令〕
〔賃金-賃金請求権の発生-就労拒否(業務命令拒否)と賃金請求権〕
〔休職-休職期間中の賃金(休職と賃金)〕
 原告は同年六月上旬以降A商事から足立保木間店や埼玉吉川店に異動する旨の配転命令を受けており、これを拒否すべき正当な理由は認められないのであるから、右の配転命令によって同年五月二七日にされた自宅待機命令は撤回されたものというべきである。原告はA商事から配転命令が出された後も自宅待機を継続しているが、これは、配転命令によって自宅待機命令が撤回されたにもかかわらずその後も勝手に自宅待機を継続していたことになる。
 4 以上によれば、原告はA商事から足立保木間店や埼玉吉川店に異動する旨の配転命令を受けた後もこれに応ぜずに勝手に自宅待機を継続している(前記第三の一3(四))ことになるが、これは法的には原告がA商事に対する労務の提供を拒否したことになるから、原告がA商事の配転命令に応ぜずに勝手に自宅待機を継続した期間中は原告の給料債権は発生しないというべきである。そして、以上認定した事実によれば、平成九年七月一日から同月三〇日までは原告がA商事の配転命令の応ぜずに勝手に自宅待機していた期間であることは明らかであるから、右の期間について原告の給料債権は発生していない。