ID番号 | : | 07334 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | カルティエ・ジャパン事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 世界的なブランド商品を取り扱う会社の販売員が、接客態度が不良で、会社のブランド・イメージを傷つける、取引先の百貨店側の社員との協調性を欠くなどの行動が繰り返し行われ、改善の努力がみられないとして解雇されたことにつき、解雇を違法として地位確認の請求をしていたケースで、右解雇理由が相当であるとして有効とされ、請求が棄却された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 信用失墜 |
裁判年月日 | : | 1999年5月14日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成8年 (ワ) 19562 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労経速報1709号25頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-信用失墜〕 (1) 原告の接客態度が、被告の取り扱う世界的に著名なブランド商品の販売員として、被告のブランドイメージを傷つける著しく不適切なものと考えられること(特に、バッグの件、リフィールの件及び腕時計の件に具体的に見られるもの)、(2) 被告とその出店先である百貨店との関係からして、被告としてはできる限り百貨店側との関係を良好に保たなければならないものと考えられるのに、原告は、百貨店側の社員との協調性を欠いたばかりではなく、前記接客態度に起因して、被告の出店先である百貨店側に対し、それ自体やっかいなものというべき顧客のクレーム解消の措置を採ることを余儀なくさせたこと(特に、バッグの件、リフィールの件)、(3) しかも、原告は、被告側及び百貨店側双方の度重なる注意等にもかかわらず、このような接客態度の問題及び百貨店側の社員との協調性の欠如の問題を、長期間にわたって、繰り返して引き起こし、何ら改善努力のあとを認めることができないこと、等の事実に照らすと、就業規則五九条(1)及び(14)所定の懲戒解雇事由に該当するとしてされた本件懲戒解雇については、右懲戒解雇事由該当性を認めることができ、前記認定の本件懲戒解雇に至る経緯を斟酌しても、懲戒解雇に付した被告の措置に権利の濫用を認めることはできないものというべきである。 |