ID番号 | : | 07355 |
事件名 | : | 賃金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | エイ・ケイ・アンドカンパニー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 家具・インテリア用品の販売、輸入等を目的とする会社で、当初東京都内の営業所で勤務していたが、会社が大分県で経営を開始するに至った美術館の館長代理として配置された者が、会社の業務のために来日した外国人や現地の有力者に対して東京に戻りたい旨を公言したため、会社の業務に支障が生じたこと、自分の上司でもあり、美術館の資金の多額の提供者である美術館の館長に会社の代表者の男女関係を告げて中傷し、会社の代表者と美術館の館長とのパートナーの関係にひびを入れた等として懲戒解雇されたケースで、解雇が無効であると主張して解雇以降の賃金支払を求める請求が、右懲戒解雇の理由はいずれも懲戒解雇事由として認めることはできないとして認容された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1999年7月7日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成10年 (ワ) 242 |
裁判結果 | : | 認容(確定) |
出典 | : | 労働判例766号25頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕 原告は、Aから、被告代表者とBとが(ママ)男女関係の存否についての原告の考えをたずねられたのに対し、明確に右事実を否定しない対応をしたことが認められるが、C美術館館長として原告の上司の地位にあるAからの執ような問いかけに対し、受動的な応答をしたにとどまる本件の経過からすれば、原告の対応は、社会通念上、許容される範囲のものというべきであって、右対応をとらえて中傷行為ということはできず、これを業務を妨げる行為とか職場の秩序を乱す行為に当たるということもできない。〔中略〕 以上によれば、被告主張の懲戒解雇事由は、いずれも認めることができず、これを前提とする就業規則四四条五号、一二号該当の被告主張は、採用することができない。 |