ID番号 | : | 07376 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 埼京タクシー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | タクシー乗務員が、始業時間不遵守、勤務離脱、メーター不倒、他の社員に対する暴言などを理由に解雇され、地位保全の仮処分を申請したケースで、右解雇は合理的な理由に基づくものであるとして、申請が却下された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 不正行為 |
裁判年月日 | : | 1999年8月20日 |
裁判所名 | : | 浦和地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成10年 (ヨ) 501 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例774号55頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-不正行為〕 右1の各認定事実を総合すると、〔1〕 債権者が、本件時刻ころ、本件現場付近において、「予約車」の表示を掲げながら料金メーターを作動させることなしにその運転するタクシーに乗客を乗せていたこと、及び、〔2〕 債権者が、右乗務によって同客から収受したであろう料金を債務者に対して納金しなかったこと、以上の各事実を認めることができる。〔中略〕 メーター不倒行為は乗務員服務規律一二条及び一四条(8)により禁止された行為であるから、前記一2(一)掲記の債権者の行為は右各規定に違反するものであり、もって、債権者は就業規則四六条〔3〕、〔4〕、〔17〕所定の懲戒解雇事由に該当するものと認められる。そして、メーター不倒行為がその性質上タクシー会社の収入源を奪うものであり業務上横領に比すべき重大な行為であること、及び、債権者が一貫してメーター不倒行為を否認しており反省の情を示していないことなどからすると、債権者は就業規則一九条〔3〕に該当するものと認められる。〔中略〕 以上の事情によれば、本件解雇は、客観的にみて合理的な理由に基づくものというべきである。〔中略〕 債務者が主張する解雇事由のうち、メーター不倒以外の事由に関してその事実の存否、解雇事由該当性につき検討するまでもなく、本件解雇は社会通念上相当なものとして是認することができる。よって、本件においては、債務者が解雇権を濫用したものと判断することはできないから、本件解雇が無効であるとは認めることができない。 |