ID番号 | : | 07398 |
事件名 | : | 退職金等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 金融界社・大相模カントリークラブ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 雑誌「Y」の発行及び「A」の開催などを業とする会社に雇用されていた従業員が、右会社の突然の解散決議により解雇され、右解散決議に基づく解雇を違法とし損害賠償を請求するとともに、就業規則に基づいて退職金を請求したケースで、右解散決議及び解雇を違法とすることはできないとして損害賠償請求は棄却されたが、退職金については規定を基に計算された額が認められるとして認容された事例。 |
参照法条 | : | 民法709条 労働基準法11条 労働基準法3章 労働基準法87条1項3号の2 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 使用者に対する労災以外の損害賠償 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算 |
裁判年月日 | : | 1999年10月29日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成11年 (ワ) 16583 |
裁判結果 | : | 一部認容、一部棄却 |
出典 | : | 労経速報1723号23頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕 被告Y社の社員の退職金の金額について、本件規定一五条は「退職又は死亡当時の俸給を基準として、在職年数に応じて社長が決定する」と定めており、この規定の仕方によれば、被告Y社の社員の退職金の金額が社員の退職又は死亡当時の俸給に在職年数を乗じた金額であるとされているということができないことは明らかであり、社員の退職金の金額はあくまでも社長が決めた金額であり、退職金の金額は退職又は死亡当時の俸給を基準として在職年数に応じてこれを決めなければならないものと認められる(もっとも、被告Y社においては長年にわたり社員の退職又は死亡当時の俸給に在職年数を乗じた金額をもって当該社員の退職金をするという取扱いが続けられてきたとすれば、被告Y社の社員の退職金の金額は社員の退職又は死亡当時の俸給に在職年数を乗じた金額であるといえなくもないが、本件では被告Y社は本件解雇当時の原告の基本給に本件解雇までの原告の在職年数を乗じた金額をもって原告の退職金としている〔中略〕 〔労働契約-労働契約上の権利義務-使用者に対する労災以外の損害賠償〕 本件解雇は被告Y社の解散決議に基づいて行われたことであり、いわば事業の廃止に伴う整理解雇に類するものと考えられるところ、原告が本件解雇によって突然職を失い、経済的な拠り所及び精神的な支柱を一方的に奪われたとしても、それだけでは本件解雇が違法であるということはできない。また、本件解雇の前提を成す被告Y社の解散決議が違法であるということもできない。 そうすると、その余の点について判断するまでもなく、被告らの原告に対する不法行為の成立を認めることはできない。 |