ID番号 | : | 07445 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分命令申立事件 |
いわゆる事件名 | : | ゴールド・ハウス・インターナショナル事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 宝飾関係の職歴を有し、宝飾品の製造、加工、販売等を業とする会社Yに経営企画室長兼商品部長、職能ランク基準二A級として採用されたXが、真珠販売において売れ残りが出たことについて責任の一端があること、取引先の倒産による未回収金の発生についてもその職責に照らし責任があることを理由に、三B級に降級され、その後、売掛金の管理や商品の管理等がずさんであることを起因とする問題が徐々に顕在化するようになり、更にそれが頻繁になったことから、Xの売掛金や商品の管理能力等に問題があると考えられて管理職としての能力が再評価された結果、四B級に降級処分がなされ、更に職位も海外営業部長から外されて営業部特販担当になり新たな業務が与えられたところ、右業務を熱心に行わなかったことが「業務能力または勤務成績が著しく不良のとき」という就業規則の解雇事由に該当するとして、解雇されたことから、本件降級処分等は権利濫用により無効であるとして、雇用契約上の地位の仮の確認及び賃金の仮払いを申し立てたケースで、Xの業務能力又は勤務成績は著しく不良であるというべきで、降級処分、賃金減額、職位の引下げ、解雇は有効であるとして請求が棄却された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度 解雇(民事) / 解雇事由 / 職務能力・技量 |
裁判年月日 | : | 1999年9月1日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成11年 (ヨ) 21108 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労経速報1737号6頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕 〔解雇-解雇事由-職務能力・技量〕 右(三)で認定、説示した事実によれば、債権者は、南洋真珠の販売の件で売れ残りが出たことについて責任の一端があること、A会社の倒産及び未回収金の発生について営業統括部長としての職責に照らし責任があると評価されたことを理由に平成四年四月一日以降3B級に降級されたのであるが、その後、平成五年のB会社の件、平成六年のC会社の件、平成八年のD会社の件などにおいて、債権者による売掛金の管理や商品の管理などがずさんであることに起因すると考えられる問題が徐々に顕在化するようになり、平成九年一月以降はE会社の件、F会社の件、G会社の件、H会社の件、I会社の件、J会社の件など、売掛金の管理や商品の管理などがずさんであることに起因すると考えられる問題が頻繁に顕在化するようになって、債権者の売掛金の管理能力や商品の管理能力などに問題があると考えられたので、債務者は債権者の管理職としての能力について再評価を行った上で本件降級処分及びこれに伴い職位を降格し、新規の業務を与えたが、債権者は自分の抱える問題点に深く思いを致さずに新規の業務を熱心に行わなかったというのである。以上の事実によれば、債権者の業務能力又は勤務成績は著しく不良であるというべきであり、右は本件就業規則三九条三号に該当するというべきである。 |